弓の毛が、切れている理由
2025年03月24日
おそらく弦楽器をしている人は、放っておいた弓の毛が、いつの間にかポロポロと切れている、といった現象に遭遇したことがあるかと思います。
この場合、一般的には虫が食った、と言って済ましていますが、それにしては不可解です。
ケースに虫が入り、弓の毛の根本の部分だけを食い、そして痕跡を残さず去る。
こんな事は現実的には、非常に考えにくいです。
私はこの原因について、経験による仮説を持っております。
それは「弓の持ち主が、その弓のことを忘れていると起こる」というものです。
一見、非科学的ですが、おそらく実体験者は心当たりがあると思います。
一応、科学的根拠として、量子力学的な考えがあります。
量子力学の初学者の本では、実験者の考えで結果が変わるとか、人が観察するまで結果は定まっていない、とか言われています。
つまり人の考えや気持ちが物理現象に影響を及ぼすということで、これは量子力学では基本の考えになっています。
そういったことからこの現象は弓の持ち主の気持ちが、物理的現実世界に影響を及ぼしたものと考えます。
量子力学の考え方について知りたい方は「二重スリット実験」「シュレディンガーの猫」が参考になると思います。
この場合、一般的には虫が食った、と言って済ましていますが、それにしては不可解です。
ケースに虫が入り、弓の毛の根本の部分だけを食い、そして痕跡を残さず去る。
こんな事は現実的には、非常に考えにくいです。
私はこの原因について、経験による仮説を持っております。
それは「弓の持ち主が、その弓のことを忘れていると起こる」というものです。
一見、非科学的ですが、おそらく実体験者は心当たりがあると思います。
一応、科学的根拠として、量子力学的な考えがあります。
量子力学の初学者の本では、実験者の考えで結果が変わるとか、人が観察するまで結果は定まっていない、とか言われています。
つまり人の考えや気持ちが物理現象に影響を及ぼすということで、これは量子力学では基本の考えになっています。
そういったことからこの現象は弓の持ち主の気持ちが、物理的現実世界に影響を及ぼしたものと考えます。
量子力学の考え方について知りたい方は「二重スリット実験」「シュレディンガーの猫」が参考になると思います。
格付けチェック
2025年01月06日
お正月恒例のTV番組「芸能人格付けチェック!」は、ご覧頂いたでしょうか。
弦楽器ファンなら当然に、ご覧頂いたと思います。
今年は楽器総額79億円となっており、毎年毎年額が増大して今後も続けらるのだろうかと思うところでもあります。
ストラディバリウスは毎年当然のように出てきますが、今年は2つも用意されました。
これだけでもバラエティの範疇を超えていますが、さらに驚愕したのがグァルネリまで登場してきたところです。
この様な組み合わせは、もはや正月バラエティしかできない芸当でしょう。
肝心の聴き比べですが、比較用の楽器も最近はまともなものが使われるので、TVを通じたデジタル変換された音では判別が難しいものでした。
また来年を楽しみにしています。
弦楽器ファンなら当然に、ご覧頂いたと思います。
今年は楽器総額79億円となっており、毎年毎年額が増大して今後も続けらるのだろうかと思うところでもあります。
ストラディバリウスは毎年当然のように出てきますが、今年は2つも用意されました。
これだけでもバラエティの範疇を超えていますが、さらに驚愕したのがグァルネリまで登場してきたところです。
この様な組み合わせは、もはや正月バラエティしかできない芸当でしょう。
肝心の聴き比べですが、比較用の楽器も最近はまともなものが使われるので、TVを通じたデジタル変換された音では判別が難しいものでした。
また来年を楽しみにしています。
新年の挨拶
2025年01月04日
新年、あけましておめでとうございます
今年もよろしくおねがいします
昨年度も順調にスケジュールをこなしていくことできました。
本年度もおそらく順調にいくでしょう。
今年はいよいよ3月から、あんずホールの軽運動室で練習できる様になります。
軽運動室の練習場は譜面台もあり、移動も容易であるので、多少の室料はかかりますが、とても快適な練習場で当団の売りと言ってもいいです。
尚、次回定期演奏会は、9月21日です。
暑さも和らいで、気候的に演奏しやすいであろうと、期待しています。
ブログの更新もネタを見つけて、更新していきます。
音楽ネタだけではなかなか更新が難しいので、多少話題がはみ出しても良い範囲を考えて、載せていくことも考えております。
今年もよろしくおねがいします
昨年度も順調にスケジュールをこなしていくことできました。
本年度もおそらく順調にいくでしょう。
今年はいよいよ3月から、あんずホールの軽運動室で練習できる様になります。
軽運動室の練習場は譜面台もあり、移動も容易であるので、多少の室料はかかりますが、とても快適な練習場で当団の売りと言ってもいいです。
尚、次回定期演奏会は、9月21日です。
暑さも和らいで、気候的に演奏しやすいであろうと、期待しています。
ブログの更新もネタを見つけて、更新していきます。
音楽ネタだけではなかなか更新が難しいので、多少話題がはみ出しても良い範囲を考えて、載せていくことも考えております。
演奏会アンケート
2024年10月08日
演奏会では、ご来場者のアンケートを実施しました。
団として注目するのは、演奏の出来栄えです。
予想通り四季の特にソリストの演奏が高評価でしたが、意外にも後半の曲にもそれなりの高い評価を頂いたと感じました。
アンコールの曲が良かったという方も、いらっしゃいました。
面白い感想は前半と後半では指揮者が異なるので、団員の雰囲気が違って見えたというものが複数ありました。
後半の方が伸び伸び弾いているように、見えたそうです。
初めての客演指揮者なので、緊張していた演奏者が多かったのかも知れません。
他に演奏希望の曲は知っている曲を、というものが多数でした。
曲には知っている曲、やりたい曲、かっこいい曲、できる曲、とあり、それら全体を考慮して選曲するのはなかなか難しいところがあります。
今回は前回に引き続き前売り入場料700円、当日券800円でしたが、これはアマチュアの音楽団体としては結構挑戦的な値段かと思います。
感想を見る限りは、それに見合っているものであったと信じたいところでありますので、今後も精進していければと思います。

団として注目するのは、演奏の出来栄えです。
予想通り四季の特にソリストの演奏が高評価でしたが、意外にも後半の曲にもそれなりの高い評価を頂いたと感じました。
アンコールの曲が良かったという方も、いらっしゃいました。
面白い感想は前半と後半では指揮者が異なるので、団員の雰囲気が違って見えたというものが複数ありました。
後半の方が伸び伸び弾いているように、見えたそうです。
初めての客演指揮者なので、緊張していた演奏者が多かったのかも知れません。
他に演奏希望の曲は知っている曲を、というものが多数でした。
曲には知っている曲、やりたい曲、かっこいい曲、できる曲、とあり、それら全体を考慮して選曲するのはなかなか難しいところがあります。
今回は前回に引き続き前売り入場料700円、当日券800円でしたが、これはアマチュアの音楽団体としては結構挑戦的な値段かと思います。
感想を見る限りは、それに見合っているものであったと信じたいところでありますので、今後も精進していければと思います。
中学校音楽会
2024年09月29日
先日、母校である更埴西中で行われた文化祭「田毎祭」に行ってきました。
少し前に回覧板で案内が来て、そこには内容として音楽会とあったので、興味をそそられたので見てみようと思いました。
会場の体育館は建て替えらていましたので、初めての学校のような気分でした。
音楽会の内容はクラスごとの合唱でした。私の時は田毎祭とは別行事だったので、ちょっと予想外でした。
そして聞いてみると、なかなか皆真面目に上手に歌っており、非常に好感の持てるものでした。
というのも私の時の合唱は色々と問題があり、時代は「スクールウォーズ」や「不良少女とよばれて」「ヤヌスの鏡」といった不良ドラマが全盛でもあったので、平和的な音楽は馴染まなかったのかもしれないです(問題というのは生徒の熱意の事で、ちゃんと皆真面目に練習に参加はしていました)。
その後、吹奏楽部の演奏も聞いてみました。
大人がやっているものと遜色がなく、上手に演奏されていました。
ジョジョのBGMであるil vento d'oroが演奏され、この曲は好きな曲なので聞けて良かったです。

少し前に回覧板で案内が来て、そこには内容として音楽会とあったので、興味をそそられたので見てみようと思いました。
会場の体育館は建て替えらていましたので、初めての学校のような気分でした。
音楽会の内容はクラスごとの合唱でした。私の時は田毎祭とは別行事だったので、ちょっと予想外でした。
そして聞いてみると、なかなか皆真面目に上手に歌っており、非常に好感の持てるものでした。
というのも私の時の合唱は色々と問題があり、時代は「スクールウォーズ」や「不良少女とよばれて」「ヤヌスの鏡」といった不良ドラマが全盛でもあったので、平和的な音楽は馴染まなかったのかもしれないです(問題というのは生徒の熱意の事で、ちゃんと皆真面目に練習に参加はしていました)。
その後、吹奏楽部の演奏も聞いてみました。
大人がやっているものと遜色がなく、上手に演奏されていました。
ジョジョのBGMであるil vento d'oroが演奏され、この曲は好きな曲なので聞けて良かったです。

第23回定期演奏会終了
2024年09月26日
9月8日の第23回定期演奏会は、好評にうちに終わりました。
今回の会場は異例の上山田文化会館でしたが、入場者数は例年並みであったかと思います。
アンケートも多数頂いており、また後日内容をテーマとして載せる予定です。
四季の指揮者は始めての客演指揮者であり、又、ソリストは中学生ながら迫力のある演奏で、団員には新しい刺激になったと思います。
今回の演奏会は簡単な打ち合わせだけでスムーズに進みましたが、経験豊富な団員の個々の尽力があったためと思います。
来年は再びあんずホールで演奏会(9月21日)が行われますので、それまでお楽しみに。
今回の会場は異例の上山田文化会館でしたが、入場者数は例年並みであったかと思います。
アンケートも多数頂いており、また後日内容をテーマとして載せる予定です。
四季の指揮者は始めての客演指揮者であり、又、ソリストは中学生ながら迫力のある演奏で、団員には新しい刺激になったと思います。
今回の演奏会は簡単な打ち合わせだけでスムーズに進みましたが、経験豊富な団員の個々の尽力があったためと思います。
来年は再びあんずホールで演奏会(9月21日)が行われますので、それまでお楽しみに。
演奏曲解説(レスピーギ③)
2024年07月29日
第3楽章「シチリアーナ」
元の原題は「スパニョレッタ(スペイン風)」と言う曲らしいのですが、オスカー・キレゾッティが編集したリュート曲集の中でこの曲が「シチリアーナ」として紹介されていたため、シチリアーナになったらしいです。
この曲の優しいながら物悲しい感じは、短旋律と、不均等なリズムが醸し出す雰囲気なのでしょう。とても印象的な曲でシンプルな曲です。旋律が繰り返されますが、それが変奏され、ダイナミクス(強弱やアクセント)に変化をつけられるとここまで味わい深いものになるのかと感心させられます。
曲が進行するにつれて、どんどん熱を帯びていくところでの低弦のクレッシェンドをかけていくところは迫力あり。最も情熱的な頂点に当たる部分では、伴奏が3連符で下降していきますが、チェロの最低音まで下がっていく様子は圧巻です。最後は静かに終わります。
第4楽章「パッサカリア」
スペイン発祥の舞曲で、流れが特徴で、とても終止感の強い曲調になります。
「街を歩く」が意味らしく、曲調に合わせて、調や拍子が変わる独特な進行をします。
前の3曲に比べてとても情熱的で重厚、まさに組曲の締めくくりにふさわしい熱量を感じます。
ロンカルリという作曲家の曲がもとになっていて、最初の主題を何度も繰り返していきます。主題は重音で弾くように指示されていますが、これがリュートらしい感じなのでしょう。主題の中に同じ音の上にある短音階の和音(悲しげな感じ)と長音階の和音(明るい感じ)をその順で隣り合わせにしているのが特徴的で感情を揺さぶられるような感じがします。
重音を伴った主題は、ヴァイオリンからヴィオラへ、ヴィオラからチェロへとさらに受け継がれていきます。それがひとしきり盛り上がった後、さらにテンポアップして激しさを増しコントラバスを除いてすべてパートが重音の指定で迫力を増します。その後さらにテンポを上げていった後に、突如としてブレーキがかかる指定。ブレーキをかけながらどんどん重みを増していって最後は重みを持ったまま力強く終わります。
古風な舞曲とアリアは、昔のリュートの音楽の発掘、紹介を目的にしたもののようですが、
ここまでいい曲だと、その役割以上の価値を持った曲と言えるのではないでしょうか。
旅雨
元の原題は「スパニョレッタ(スペイン風)」と言う曲らしいのですが、オスカー・キレゾッティが編集したリュート曲集の中でこの曲が「シチリアーナ」として紹介されていたため、シチリアーナになったらしいです。
この曲の優しいながら物悲しい感じは、短旋律と、不均等なリズムが醸し出す雰囲気なのでしょう。とても印象的な曲でシンプルな曲です。旋律が繰り返されますが、それが変奏され、ダイナミクス(強弱やアクセント)に変化をつけられるとここまで味わい深いものになるのかと感心させられます。
曲が進行するにつれて、どんどん熱を帯びていくところでの低弦のクレッシェンドをかけていくところは迫力あり。最も情熱的な頂点に当たる部分では、伴奏が3連符で下降していきますが、チェロの最低音まで下がっていく様子は圧巻です。最後は静かに終わります。
第4楽章「パッサカリア」
スペイン発祥の舞曲で、流れが特徴で、とても終止感の強い曲調になります。
「街を歩く」が意味らしく、曲調に合わせて、調や拍子が変わる独特な進行をします。
前の3曲に比べてとても情熱的で重厚、まさに組曲の締めくくりにふさわしい熱量を感じます。
ロンカルリという作曲家の曲がもとになっていて、最初の主題を何度も繰り返していきます。主題は重音で弾くように指示されていますが、これがリュートらしい感じなのでしょう。主題の中に同じ音の上にある短音階の和音(悲しげな感じ)と長音階の和音(明るい感じ)をその順で隣り合わせにしているのが特徴的で感情を揺さぶられるような感じがします。
重音を伴った主題は、ヴァイオリンからヴィオラへ、ヴィオラからチェロへとさらに受け継がれていきます。それがひとしきり盛り上がった後、さらにテンポアップして激しさを増しコントラバスを除いてすべてパートが重音の指定で迫力を増します。その後さらにテンポを上げていった後に、突如としてブレーキがかかる指定。ブレーキをかけながらどんどん重みを増していって最後は重みを持ったまま力強く終わります。
古風な舞曲とアリアは、昔のリュートの音楽の発掘、紹介を目的にしたもののようですが、
ここまでいい曲だと、その役割以上の価値を持った曲と言えるのではないでしょうか。
旅雨
演奏曲解説(レスピーギ②)
2024年07月28日
第1楽章「イタリアーナ」
主題は作曲者不明のリュートのための曲から。主題はチェロのピチカートによるアルペジオに乗って登場、これがリュートを示していると言われます。
調号は♭3つで書かれていますが、長調でも短調でもなく、両方の要素を行ったり来たりしている印象。調性を明確にするために必要な音からずれている音が用いられていることとルネサンス期の旋法的な音の並びを模していて、これが「古風な」曲調に聴こえていると考えられます。
主題が帰ってくる直前、少しゆっくりになってから元のテンポに戻るところが、陰のある何とも言えない味わいがあります。主題が戻ってきた後もう一度主題が繰り返されますが、ここではそれまでに登場しなかったレ♭が登場することで不調和感を出した後、最後は明るく静かに終わり解決します。ヴィオラのフラジオレットがいい味を加えています。
第2楽章「宮廷のアリア」
この曲は、ベサールという作曲家の別名「エール・ド・クール」と呼ばれるリュートと歌の宮廷歌曲のことで、その歌曲の中から6曲をメドレー風にして繋げた曲です。
冒頭に出てくる、物悲しいヴィオラの旋律Andante Cantabileは「お前に恋することは悲しい」、ヴァイオリンの明るく軽やかな旋律のAregrettoは「さようなら、羊飼いの女よ、永遠に」、快活なVivace「はっきりとみつめる愛らしい眼」、ゆったりした壮麗な響きのLento con grande espressione「彼方には愛の小舟がある」、ピッツィカートでの旋律によるAllegro vivace「いかなる神がわが魂をゆり動かすのか」、Vivacissimo 「もしお前が私にいい寄るのが私に憶えのないことならば」、最後にAndante cantabile「お前に恋することは悲しい」に戻ります。
恋心を歌から、その人生観を考えてしまいそうな切ない曲順です。1曲に6つの要素が入っているのを考えて繋げていきます。
つづく
旅雨
主題は作曲者不明のリュートのための曲から。主題はチェロのピチカートによるアルペジオに乗って登場、これがリュートを示していると言われます。
調号は♭3つで書かれていますが、長調でも短調でもなく、両方の要素を行ったり来たりしている印象。調性を明確にするために必要な音からずれている音が用いられていることとルネサンス期の旋法的な音の並びを模していて、これが「古風な」曲調に聴こえていると考えられます。
主題が帰ってくる直前、少しゆっくりになってから元のテンポに戻るところが、陰のある何とも言えない味わいがあります。主題が戻ってきた後もう一度主題が繰り返されますが、ここではそれまでに登場しなかったレ♭が登場することで不調和感を出した後、最後は明るく静かに終わり解決します。ヴィオラのフラジオレットがいい味を加えています。
第2楽章「宮廷のアリア」
この曲は、ベサールという作曲家の別名「エール・ド・クール」と呼ばれるリュートと歌の宮廷歌曲のことで、その歌曲の中から6曲をメドレー風にして繋げた曲です。
冒頭に出てくる、物悲しいヴィオラの旋律Andante Cantabileは「お前に恋することは悲しい」、ヴァイオリンの明るく軽やかな旋律のAregrettoは「さようなら、羊飼いの女よ、永遠に」、快活なVivace「はっきりとみつめる愛らしい眼」、ゆったりした壮麗な響きのLento con grande espressione「彼方には愛の小舟がある」、ピッツィカートでの旋律によるAllegro vivace「いかなる神がわが魂をゆり動かすのか」、Vivacissimo 「もしお前が私にいい寄るのが私に憶えのないことならば」、最後にAndante cantabile「お前に恋することは悲しい」に戻ります。
恋心を歌から、その人生観を考えてしまいそうな切ない曲順です。1曲に6つの要素が入っているのを考えて繋げていきます。
つづく
旅雨
演奏曲解説(レスピーギ①)
2024年07月27日
レスピーギ 「リュートのための古風な舞曲とアリア 第3組曲」
昨年の、あんず室内合奏団第23回定期演奏会でこの中の一曲目「イタリアーナ」の取組みをしたことに続いて、今年は第3組曲全曲を演奏します。
レスピーギは、若い頃ヴァイオリンで学位を取り、1900年から1903年の間オーケストラ奏者としてヴィオラも演奏していました。
作曲活動はその後サンタ・チェチーリア音楽院に赴任してから。
なるほど、2楽章の冒頭などにヴィオラにいい役割を与えてくれている訳かと頷けます。
この頃出会ったリムスキー=コルサコフに管弦楽法と作曲を学んで大きな影響を受けています。
レスピーギは音楽院の図書館で、過去の様々な音楽を研究。とりわけルネサンス時代~バロック前期のイタリア音楽に着目しました。ルネサンス時代と言えば、まだ和声法は無く、対位法が最先端であった時代です。カトリック教会の教会旋法を用いたグレゴリオ聖歌なども研究しました。
(和声法:和音の進行やどんなハーモニーをどう積み重ねると美しく響くか?ハーモニーをどう繋げると良い響きになるか?ということを体系化した手法と音楽理論
対位法:ある旋律に対して、どんな旋律線を書いたら美しく鳴るか? 一つの音楽の中で、複数の旋律をどうしたら同居させられるか?を体系化した手法と音楽理論)
その成果で、古風な印象がありつつ聴きやすくて分かり易く、特に教会旋法の知識が無くても、違和感なく楽しんで聴ける音楽が多く作曲しました。
この曲はリュートのために書かれたルネサンス期の舞曲を元に19世紀に編さんされた歌曲集を研究した成果に基づいて弦楽合奏のため作られ、実際にはリュートは使われていません。
セントポール組曲を作曲したホルストと時代が近いですが、作曲されたのは1931年。ふたつの世界大戦の間の激動期です。
つづく
旅雨
昨年の、あんず室内合奏団第23回定期演奏会でこの中の一曲目「イタリアーナ」の取組みをしたことに続いて、今年は第3組曲全曲を演奏します。
レスピーギは、若い頃ヴァイオリンで学位を取り、1900年から1903年の間オーケストラ奏者としてヴィオラも演奏していました。
作曲活動はその後サンタ・チェチーリア音楽院に赴任してから。
なるほど、2楽章の冒頭などにヴィオラにいい役割を与えてくれている訳かと頷けます。
この頃出会ったリムスキー=コルサコフに管弦楽法と作曲を学んで大きな影響を受けています。
レスピーギは音楽院の図書館で、過去の様々な音楽を研究。とりわけルネサンス時代~バロック前期のイタリア音楽に着目しました。ルネサンス時代と言えば、まだ和声法は無く、対位法が最先端であった時代です。カトリック教会の教会旋法を用いたグレゴリオ聖歌なども研究しました。
(和声法:和音の進行やどんなハーモニーをどう積み重ねると美しく響くか?ハーモニーをどう繋げると良い響きになるか?ということを体系化した手法と音楽理論
対位法:ある旋律に対して、どんな旋律線を書いたら美しく鳴るか? 一つの音楽の中で、複数の旋律をどうしたら同居させられるか?を体系化した手法と音楽理論)
その成果で、古風な印象がありつつ聴きやすくて分かり易く、特に教会旋法の知識が無くても、違和感なく楽しんで聴ける音楽が多く作曲しました。
この曲はリュートのために書かれたルネサンス期の舞曲を元に19世紀に編さんされた歌曲集を研究した成果に基づいて弦楽合奏のため作られ、実際にはリュートは使われていません。
セントポール組曲を作曲したホルストと時代が近いですが、作曲されたのは1931年。ふたつの世界大戦の間の激動期です。
つづく
旅雨
演奏曲解説(セントポール②)
2024年07月26日
前回の続き
第3曲「間奏曲(Andante con moto)」
ピチカート(全を指で弾く奏法)による和音の上に独奏ヴァイオリンが劇的に、アラビア風とも東洋風とも言われるエキゾチックな甘美な旋律を奏でると、もう一つの軽快な主題が入りその音楽は中断、独奏ヴィオラとデュエットとなります。中間部では一転して快活な舞曲をはさみながら、また元の旋律に戻り、最後は弦楽四重奏となって消えていきます。
第4曲「フィナーレ(ダーガソン)」
ダーガソンというルネサンス期に流行った素朴なフォーク・ダンスの旋律が奏でられ、
これにチェロが奏でる有名な「グリーンスリーヴズ」の旋律が静かに重なって曲は進み、次はヴァイオリンによって華やかにふたつの旋律が絡み合い最高潮を迎え、最後はおどけたような感じで明るく華麗に終わります。その対位法的な旋律の扱いはホルストらしく見事です。なお、この曲はホルスト作品「吹奏楽のための組曲第2番」を再アレンジしたものでそっくりですが、演奏される楽器の違いもあり両方聴いてもたのしめます。
旅雨
第3曲「間奏曲(Andante con moto)」
ピチカート(全を指で弾く奏法)による和音の上に独奏ヴァイオリンが劇的に、アラビア風とも東洋風とも言われるエキゾチックな甘美な旋律を奏でると、もう一つの軽快な主題が入りその音楽は中断、独奏ヴィオラとデュエットとなります。中間部では一転して快活な舞曲をはさみながら、また元の旋律に戻り、最後は弦楽四重奏となって消えていきます。
第4曲「フィナーレ(ダーガソン)」
ダーガソンというルネサンス期に流行った素朴なフォーク・ダンスの旋律が奏でられ、
これにチェロが奏でる有名な「グリーンスリーヴズ」の旋律が静かに重なって曲は進み、次はヴァイオリンによって華やかにふたつの旋律が絡み合い最高潮を迎え、最後はおどけたような感じで明るく華麗に終わります。その対位法的な旋律の扱いはホルストらしく見事です。なお、この曲はホルスト作品「吹奏楽のための組曲第2番」を再アレンジしたものでそっくりですが、演奏される楽器の違いもあり両方聴いてもたのしめます。
旅雨